スラントポケット

スラントポケットについて解説していきます。

福岡天神オーダースーツ専門店テーラグレイスです。

 

スラントポケットとは

 

スラントポケットは「傾き・斜め」という意味の「スラント(slant)」という名前から分かるように、斜めについたジャケットの腰ポケットのことを指します。

ブリッティシュスタイルのスーツの歴史には乗馬が深く関係しており、スラントポケットは別名「ハッキングポケット」とも言われています。

馬に乗る際は姿勢が前傾になるため、ポケットが水平だと物の出し入れがしづらくなります。そこで、ポケットの口を斜めにつけることで出し入れの不便さを解消し、さらに中の物を落としにくくすることもできるなど、実用性を考えてデザインされたのが「スラントポケット」の由来です。

 

当店のスラントポケットの考え方

スラントポケットは現代でもスーツによく使われるディティールの一つです。

視覚的にも腰の位置が高く見えるため脚長効果があり、全体的にスッキリとシャープな印象になります。

 

しかし、もともとは乗馬をするために考えられたスポーツ用のデザインということもあり、当店ではツイードのジャケットやコーデュロイのジャケットなどのスポーツジャケットに使用することをおすすめしています。

クラシックスタイルを基本としている当店では、スーツにスラントポケットをおつけすることは推奨しておりません。(これは造り手によって考え方の異なるところだと思います。)

 

タキシード、フォーマルスーツ、喪服などにも好ましくありませんのでご注意ください。

スーツにはルールやマナーがあり、デザインにも流行り廃りがあります。

スーツの歴史を知り、時代に流されない硬派な着方にさりげない遊び心を取り入れることができたら素敵ですね。

 

今回はスラントポケットについての豆知識でした。

 

福岡オーダースーツ専門店Tailor Grace(テーラーグレイス)