ベント

ベントについて解説していきます。

福岡天神オーダースーツ専門店テーラーグレイスです。

 

ベントとは

はじめてジャケットに袖を通す際、多くの場合、後ろ側の腰の辺りから裾にかけて ✖のしつけ糸がつけられた割れ目があります。「ベント」とはその割れ目の部分を指します。

ベントにはいくつかのデザインがあり、これによりスーツのシルエット、見た目の印象が大きく変わってきます。

 

 

センターベント

 

「センターベント」とは 、背中側の中心の裾部分に切れ込みが入ったディテールです。

元々は乗馬をする際に引っかかったりしないように、窮屈さの解消と動きやすさを考えて作られたデザインです。日本では別名「馬乗り」と言われることもあります。

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サイドベンツ

 

ビジネススーツにおいて、センターベント (center vent) に次いで多く見られるのが「サイドベンツ(side vents)」です。「ベント」が「ベンツ」に変わるのは、サイドベンツでは上着の両側にベントが2つになるため、複数形のsが付くのです。

その昔、腰に吊った剣(サーベル)の抜き差しがしやすいように、上着のサイドに切れ込みを入れていた名残りであるとされ、英国製スーツに採用されることが多いディテールです。日本では別名「剣吊り」とも呼ばれます。

 

両サイドに切れ込みが入っているので、センターベントよりも動きやすく、突っ張った感じがなくなります。

あらゆるビジネススーツに相性が良いですが、あえて言えば着丈が短すぎない正統派のスーツや、ダブルブレステッドスーツとの相性が特に良いと言われています。風格を演出するならばサイドベンツがおすすめです。

 

 フックベント

 

センターベントのアレンジとして知られる「フックベント」は、アイビースタイルのジャケットやモーニングコートに採用されるディテールです。

フックベントとは、コートやジャケットの背の中央裾に入る切れ込みベントの中でも、開きの止め部分がカギ型になっているものを言います。
アメリカン・トラディショナルのスタイルやテールが長い礼装でもよく見られ、カギ型部分がステッチで補強されることで、もしも引っ掛けてしまった時に裂けにくい造りになっています。

アメリカントラッドスタイルにおいてもよく用いられるスタイルです。

 

ノーベント

 

「ノーベント」とはセンターベントやサイドベンツと違い、ベントに切れ込みが入っていないものを指します。

冠婚葬祭に着用する礼服・タキシードなどのフォーマルスタイルにおいて主流となっているディテールです。

 

今回はベントについての豆知識でした。

 

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